Assetic OOP APIを使用するためには、まず、[アセット」と「フィルタ」の2つの重要なコンセプトを理解する必要があります。 ### アセット アセットとは、読み込み、及びダンプが可能な、コンテンツとメタデータを内包しているオブジェクトの事を指します。 大体の場合において3つのカテゴリー、すなわち、Javascriptとスタイルシート、画像のどれかに属することになるでしょう。 読み込みの方法としては、ファイルシステムからがほとんどですが、 HTTPやデータベース経由でも、文字列としてでも読み込みが可能で、事実上あらゆるものが読み込み可能です。 Asseticのアセットインターフェースを満足させさえすれば良いのです。 ### フィルタ フィルタは、アセットが読み込まれる、かつ/もしくは、ダンプされる際に、 アセットコンテンツに対して作用するオブジェクトです。 アセットと同様に、Asseticのフィルタインターフェースを実装することで、 どのような作用も可能になります。 フィルタを用いて、アセットに適用できるツール群の一覧です。 * CoffeeScript * CssEmbed * CssMin * Google Closure Compiler * jpegoptim * jpegtran * Less * LessPHP * optipng * Packager * pngout * SASS * Sprockets (version 1) * Stylus * YUI Compressor ### アセットとフィルタの使用 まずはアセットオブジェクトを作成することから始まります。 多くの場合は`FileAsset`をインスタンス化し、ファイルシステムのパスを第一引数に渡します。 $asset = new Assetic\Asset\FileAsset('/path/to/main.css'); アセットオブジェクトを作成したら、`ensureFilter()`を呼び、フィルタを追加します。 例えば、アセットコンテンツにYUI Compressorを適用してみましょう。 $yui = new Assetic\Filter\Yui\CssCompressorFilter('/path/to/yui.jar'); $asset->ensureFilter($yui); 任意のフィルタを追加したら、完成したアセットをブラウザに出力してみましょう。 header('Content-Type: text/css'); echo $asset->dump(); ### アセットコレクション 1つのファイルに同じ種類のアセットをまとめて、不要なHTTPリクエストを抑えてみるのも良いでしょう。 Asseticでは`AsseticColletion`クラスを使用することで可能となります。 Assetic内部的には、このクラス自体は他のアセットと同様に、アセットインターフェースを実装したものですが、 複数のアセットを1つにまとめることが可能になります。 use Assetic\Asset\AssetCollection; $asset = new AssetCollection(array( new FileAsset('/path/to/js/jquery.js'), new FileAsset('/path/to/js/jquery.plugin.js'), new FileAsset('/path/to/js/application.js'), )); ### ネストしたアセットコレクション コレクションクラス自体がアセットインターフェースを実装し、コレクション内のアセットも同様に アセットインターフェースを実装しているので、簡単にネストすることができます。 use Assetic\Asset\AssetCollection; use Assetic\Asset\GlobAsset; use Assetic\Asset\HttpAsset; $asset = new AssetCollection(array( new HttpAsset('http://example.com/jquery.min.js'), new GlobAsset('/path/to/js/*'), )); `HttpAsset`は、HTTP経由でファイルを読み込むアセットクラス。 `GlobAsset`は、ファイルシステムのglobを基にファイル群を読み込むアセットコレクションクラス。 両者ともにアセットインターフェースを実装しています。 このネストしたアセットコレクションという概念は、コレクションそれぞれに異なる フィルタ群を適用しようとしたときに、効果を発揮します。 例えば、スタイルシートがSAASで記述されたものと、vanilla CSSを用いて記述されたものからなる アプリケーションを考えた場合、次のようにして、全てを1つのシームレスなCSSアセットにまとめることができます。 use Assetic\Asset\AssetCollection; use Assetic\Asset\GlobAsset; use Assetic\Filter\SassFilter; use Assetic\Filter\Yui\CssCompressorFilter; $css = new AssetCollection(array( new GlobAsset('/path/to/sass/*.sass', array(new SassFilter())), new GlobAsset('/path/to/css/*.css'), ), array( new YuiCompressorFilter('/path/to/yuicompressor.jar'), )); 上記の例では、1つにまとめられたCSSを、さらにYUI compressorフィルタを適用することで、全体を圧縮しています。 ### アセットコレクションのイテレーション アセットコレクションは、旧来のPHP配列のように、イテレートできます。 echo "Source paths:\n"; foreach ($collection as $asset) { echo ' - '.$asset->getSourcePath()."\n"; } アセットコレクションのイテレーションは再帰的で、「葉」にあたるアセットの取得を行います。 また、気の利いたフィルタを内蔵しているので、同じアセットがコレクション内に複数存在する場合でも、 一度だけのインクルードが保証されます。 Next: [アセットを「オンザフライ」で定義する](define.md)